家族が亡くなった場合、その人の所有する財産は相続人が承継しますが、相続人が複数の場合には、具体的な配分を遺産分割協議によって決めるのが一般的です。そしてもしも相続財産のなかに不動産が含まれている場合には、遺産分割協議をした結果を記載した遺産分割協議書とともに、戸籍謄本や除籍謄本などのさまざまな証拠書類を添えて、管轄の法務局に対して不動産相続登記の申請することになっています。不動産相続登記は証拠書類の多さで知られており、そのために一般の人がいきなり申請にトライしようとしても、証拠書類の収集の段階で壁に当たってしまうことがあります。たとえば亡くなった人の戸籍謄本や除籍謄本であれば、その人の出生から死亡までの連続したものが求められるため、結婚により新しく戸籍を起こした場合には、それ以前に両親の世帯にいたときの戸籍謄本までさかのぼって交付を受けなければなりません。
相続人の戸籍謄本や印鑑登録証明書についても、全員分を集める必要がありますので、これだけでもかなりの時間がかかります。そこで不動産相続登記の手続きは専門的な資格をもった司法書士の知恵を借りるのがもっとも効率的な方法です。司法書士は不動産相続登記にかぎらず、広く登記全般にたわるプロですので、相談があれば正しい知識を教えてくれます。また司法書士は法律により他人の代理として登記関連の書類を作成したり、申請行為をすることも認められています。